左脳の力も、右脳と同じくすばらしのです。人間の脳細胞の、思考力・分析力・計算力はコンピューターの何千倍です。

ジル博士はその力を回復させながらも、同時に頭の中に出てくるエゴと、どう付き合っていくかを、その時点ではっきりエゴに伝えたといいます。

できるだけ「つながらないと」きめた、エゴの不愉快なおしゃべりや、怒り、嫉妬、否定感などの感情の回路と、どうしてもというときには、９０秒間だけつながることを許すことにしました。

それは、感情が発生して、脳から特定の科学物質が分泌され、血液中からその物質がきえるまでが、ちょうど９０秒間であることを発見したからです。

このことから、私たちは感情やものごとにながされているのではない、ということがわかります。
一瞬、一瞬を、右脳と左脳の情報網を駆使して判断し、選択しているのです。

だから博士のように、９０秒経過しても、まだその感情につながっているのか、「もう終わりにしよう」と別れをつげるかは、自分で選択ができるのだということです。

私たちは、無意識に思考していると自動操縦になってしまい、脳の中の無駄なおしゃべりや、考えたくないことに振り回されて、疲れてしまいます。

自動操縦ではなく意識してコントロールし、自分に苦痛をもたらす思考は選択しなくていいのです。自分で自由に選択が可能だということです。

博士は左脳の思考とエゴをコントロールしながら、自分の意思で選択することで、左脳と右脳の力を結束させ、自分なりにバランスを取る方法を見出しました。

そのようなことから、まず私たちに必要なことは、小さな音を聞くように、自分を取り巻いている騒音のボリュームをさげるように心を澄ますことや、感じること。自分を信頼すること。そして力を抜いて、思考の特徴をつかみ、感情に気づきながら心を穏やかにしていくこと。



座禅を繰り返すことで、いつの間にか、心が揺らがず、囚われずの状態を自分でつくり出すことができ、自分で自分の思考の選択ができるのだと思います。