お前はお前で丁度よい
顔も体も名前も姓も

お前にはそれは丁度よい
貧も富も親も子も
息子の嫁もその孫も
それはお前に丁度よい

幸も不幸もよろこびも
悲しみさえも丁度よい

歩いたお前の人生は
悪くもなければ良くもない
お前にとって丁度よい

地獄へ行こうと極楽へ行こうと
行ったところが丁度よい

うぬぼれる要もなく　卑下（ひげ）する要もない
上もなければ下もない
死ぬ月日さえも丁度よい

仏様と二人連れの人生
丁度よくないはずがない
丁度よいのだと聞こえたとき
憶念（おくねん）の信が生まれます

南無阿弥陀仏

先日のお寺ヨガでの
副住職による法話。
「詩がとてもよかったので教えてほしい」という声
がありましたのでご紹介したいと思います。

こんにちわ
ひやね　ゆうこです。

石川県　真宗の坊守（住職奥さん）。
藤場美津路（みつじ）さんが書かれた詩。
それが、あちこちに広がったというようですが、

藤場さんは、「丁度よい」というこの言葉に
たどり着くまで、ご苦労されたようです。
寺に嫁いで３０年、
自分の知識が邪魔をして、
仏様を信じることができず、
孤独だった日々。

苦しんだ挙句、
仏様の声がやっと聞こえ
この言葉が生まれたのだそうです。

―　お前にとって丁度いい　―　

本当に大切なこと、大事なことって、目に見えないんですね。
仏様も神様も目に見えない。
人間の心だって目に見えない。
けれども、ついつい目に見えることばかりに
囚われてしまいます。

あの人はいい人だ。
あの人は悪い人。

あの人は上手い。
あの人は下手。

このような差別は、
自分の利己的な意識から
生まれてくるのだと思う。
なぜなら、私自身にもそのような
一面がある…。

自分の弱さを隠して
強い人になったつもりで
人の役に立てたと思ったけれど、
「おせっかいだ」と言われ、
やっと、自分の身の丈を知る。

～お前はお前で丁度よい
顔も体も名前も姓も～

どこかで聞いた歌のように
ふんわりと、そして、
ずっしりと心に届いた
日曜日の清々しい朝でした。