父のこと。
台風一過。
外の空気も一掃され、
沖縄にもいよいよ秋が訪れました。
久しぶりの本格的な台風で、
缶詰め状態の一日でした。
夕方ごろには、映画にも飽きて、読書にも飽きて、
すでに、お腹はぱんぱんになり、ゴロゴロしながら
最後は、家族でホームビデオ鑑賞となった。
画面に映し出される、よちよち歩きの
娘と息子。
よちよちむちむちで、なんと可愛いこと。
その後ろに、度々登場する17年前の私。
「ほっそ」 娘が言った。
確かに。
細いというより、少年のような背中だ。
体重はそんなに増えてないはずなのに、
体系はまるで別人だ。
場面は変わり、私の実家での映像。
何気ないいつもの昼下がり。
映っているのは、今は亡き私の祖父母たち。
おじい。おばあ。おばあ。おばあ。
の4人。
毎日、朝と夕方の2回、畑仕事の合間に
ガジュマルの木陰で、そろって、お茶を飲んでいた。
なつかしい、と同時に胸が熱くなった。
話は変わっって、先日、父と母がきて
いっしょに夕食をした。
途中トイレに行った父が
トイレから戻ったら、ズボンを汚していた。
娘がびっくりして
「おじいちゃん、これ?大丈夫?」
と言ったら、はずかしそうに、
「ちょっと、遅かったね。うんこれぐらい大丈夫さ」
と答えた。
少年のような背中だった私が、今では別人になり、
娘や息子の電話番号も覚えきれてないのだから、
しょうがないじゃない…。
すべては順番どおりだ。
おじいおばあ。おばあたちのように。
自分のことより、いつも子や孫の心配ばかりしてきた父が、
足腰が衰え、排せつで失敗したっていいじゃないか。
これからは、頭がボケていき、どんどん忘れていき
解放されていくのだ。
子供のように。
そう自分に言い聞かせた。
ちょうどその時、父の携帯がなった。
千葉の大学へ通う息子からだ。
「おじいちゃん、荷物届いたよ。ありがとう。
それと手紙と、お金も。」
父は言った。
「さびしくないか?おこずかいはあるか?友達はできたか?」
体が衰え、物忘れがひどくなっているのに、
心配する心だけは、忘れていなかった。
やはり生きている限り、心配のない世界へ
いくことはできないのだろう。
「大丈夫よ。大丈夫。」と
言ってやりたい気持ちでいっぱいになった。
Yuko hiyane
外の空気も一掃され、
沖縄にもいよいよ秋が訪れました。
久しぶりの本格的な台風で、
缶詰め状態の一日でした。
夕方ごろには、映画にも飽きて、読書にも飽きて、
すでに、お腹はぱんぱんになり、ゴロゴロしながら
最後は、家族でホームビデオ鑑賞となった。
画面に映し出される、よちよち歩きの
娘と息子。
よちよちむちむちで、なんと可愛いこと。
その後ろに、度々登場する17年前の私。
「ほっそ」 娘が言った。
確かに。
細いというより、少年のような背中だ。
体重はそんなに増えてないはずなのに、
体系はまるで別人だ。
場面は変わり、私の実家での映像。
何気ないいつもの昼下がり。
映っているのは、今は亡き私の祖父母たち。
おじい。おばあ。おばあ。おばあ。
の4人。
毎日、朝と夕方の2回、畑仕事の合間に
ガジュマルの木陰で、そろって、お茶を飲んでいた。
なつかしい、と同時に胸が熱くなった。
話は変わっって、先日、父と母がきて
いっしょに夕食をした。
途中トイレに行った父が
トイレから戻ったら、ズボンを汚していた。
娘がびっくりして
「おじいちゃん、これ?大丈夫?」
と言ったら、はずかしそうに、
「ちょっと、遅かったね。うんこれぐらい大丈夫さ」
と答えた。
少年のような背中だった私が、今では別人になり、
娘や息子の電話番号も覚えきれてないのだから、
しょうがないじゃない…。
すべては順番どおりだ。
おじいおばあ。おばあたちのように。
自分のことより、いつも子や孫の心配ばかりしてきた父が、
足腰が衰え、排せつで失敗したっていいじゃないか。
これからは、頭がボケていき、どんどん忘れていき
解放されていくのだ。
子供のように。
そう自分に言い聞かせた。
ちょうどその時、父の携帯がなった。
千葉の大学へ通う息子からだ。
「おじいちゃん、荷物届いたよ。ありがとう。
それと手紙と、お金も。」
父は言った。
「さびしくないか?おこずかいはあるか?友達はできたか?」
体が衰え、物忘れがひどくなっているのに、
心配する心だけは、忘れていなかった。
やはり生きている限り、心配のない世界へ
いくことはできないのだろう。
「大丈夫よ。大丈夫。」と
言ってやりたい気持ちでいっぱいになった。
Yuko hiyane